ISO-14692 規格では、繊維強化配管 (FRP) の解析を規定しています。評価は、円周方向と軸方向応力の実応力を破壊限度と比較することにより行います。FRP配管解析の CAESAR II の手法については、BS 7159 を参照してください。
ISO-14692 2017
ISO-14692 2017 では、補強された肉厚 (reinforced wall thickness) と全肉厚 (total wall thickness) とは区別します。補強された肉厚には管の内側のライナーと補強された管壁の管の外側の被覆は含まれません。CAESAR II では、ライナーや被覆を含まない補強寸法を 外径 (Diameter) と 肉厚 (Wt/Sch) に設定し、リフラクトリ厚さ (Refract Thk)、リフラクトリ密度 (Refract Density)、ライナー厚さ (Liner Thk)、ライナー密度 (Liner Density) を別途設定します。
ISO 14692 2017 では、4つの規格軸応力と 1つの規格周応力に対して 1つの許容損傷包絡線を定義しています。鉛直軸は軸応力を定義し、水平軸は周応力を定義します。
ISO-14692 2017 の応力 (複数規格/許容値) (Stresses (Multiple Code/Allow)) レポート
CAESAR II は 1つの「最も厳しい」と判定される軸応力を 4つの規格応力から抽出し、この値を 応力 (複数規格/許容値) (Stresses (Multiple Code/Allow) レポート に表示します。
4つすべての応力が損傷包絡線内にあれば、ソフトウェアはこれらの軸応力から対応する包絡する許容値を差し引きます。最小の差によって最も厳しい軸応力と許容値が決まります。ソフトウェアはそれぞれの軸応力と損傷包絡線の引っ張りと圧縮境界を比べます。
もし 1つ以上の軸応力が包絡線外にあれば、ソフトウェアは軸応力から対応する包絡許容値を差し引きます。最大の差によって最も厳しい軸応力と許容値が決まります。包絡線の外にでる軸応力が 1つのみであれば、それが最も厳しい軸応力になります。
周応力と許容値 hl(2:1) がレポートに表示されます。
ISO-14692 2017 の応力レポート (Stresses Report for ISO-14692 2017)
最も厳しい規格応力が 応力 (Stresses) レポート に表示されます。
最も厳しい軸応力と周応力が損傷包絡線内であれば、ソフトウェアはそれぞれの応力と許容値の比率を計算します。ソフトウェアは絶対値で最大値の比率になる応力を規格応力として使います。
軸応力が包絡線の外にあり周応力が包絡線の内にあれば、ソフトウェアは軸応力を規格応力として使います。
周応力が包絡線の外にあれば、ソフトウェアは周応力を規格応力として使います。