2007年以前のASME Section VIII Division 2-弾性ノズルの総合的な解析 (ASME Section VIII Division 2-Elastic Nozzle Comprehensive Analysis (pre-2007)) - CAESAR II - ヘルプ

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局部応力の問題では、材料の応力ひずみ線図と詳細な設計圧力/設計温度の情報を得る必要があります。 局部応力解析を行う前に規格内容を詳しく照査する必要があります:

  • 弾性限に近い場合

  • 通常のノズル/容器接合部設計と異なる場合

炭素鋼の材料の Smのテーブルと応力ひずみ線図の概略がこのセクションに掲載されています。 直接、規格から値を得て設計に使ってください。

規格では、ノズル荷重による容器壁に生じる応力については、基本的に3つの基準によって許容値が設定されています。 これらの3つの基準はまとめると次のようになります:

Pm < kSmh

Pm + Pl + Pb< 1.5kSmh

Pm + Pl + Pb + Q < 3Smavg

ここで、Pm、Pl、Pb、Q はそれぞれ一次一般膜応力、局部一次膜応力、局部一次曲げ応力、総体的 2次応力 (膜と曲げの合計) です。 k, Smh、Smavg は短期応力割増係数、材料の許容応力強さ、および材料の平均応力強さ (Smh + Smc) / 2 となります。

ASME Section VIII Division 2 による応力分類によって、ノズル近傍では、外荷重のモーメントによる曲げ応力、ノズル近傍の容器の内圧力による応力、開口による応力は、それが持続荷重、あるいは熱膨張荷重によって生じるかどうかにかかわらず、Q、すなわち 2次応力に分類されるべきものです。 よって、Pb はなくなり、さらに詳細な分類は次のように表すことができます:

  • Pm - 一般一次膜応力で、主に内圧で生じます。

  • Pl - 局部一次膜応力で:

    • 内圧による膜応力

    • 局部膜応力で持続的荷重によって生じます。

  • Q - 2次応力で:

    • 曲げ応力で、内圧によるもの

    • 曲げ応力で、持続的荷重によるもの

    • 膜応力で、熱荷重によるもの

    • 曲げ応力で、熱荷重によるもの

上の分類で定義されるそれぞれの応力項は、3つの成分を含んでいます。2つの応力成分が垂直応力で、1つがせん断応力成分です。 これらの3つの応力成分を合成するためには、次の規則が適用されます:

  1. 3つの応力分類 Pm、Pl、Q. に対して、垂直応力成分とせん断応力成分を計算します。

  2. Pm による応力強さを計算し、kSmh と比較します。

  3. Pm と Pl による個々の垂直応力成分とせん断応力成分を計算します。合成応力強さを計算し、1.5kSmh と比較します。

  4. Pm、 Pl、Q による個々の垂直応力成分とせん断応力成分を計算します。合成応力強さを計算し、3Smavg と比較します。

  5. 持続荷重とともに、短期荷重がある場合には、これらの短期荷重については k1.2 として計算を繰り返します。

これらの基準は、ASME Section VIII, Division 2 2004, Appendix 4 の Figure 4-130.1 と説明から容易に理解することができます。 一次曲げ応力 Pb は、シェル容器の評価では適用されないことに注意してください。したがって、Section VIII, Division 2 の要求事項から消えることになります。 同じように、ピーク応力制限は次のように表すことができます:

Pl + Pb + Q + F < Sa

Section 5-100 の明確な規定に従って弾性制限 AD-160 を満足すれば、この式を満足する必要はありません。Section 5-100 の規定は次の通りです:

「容器の運転が AD-160 の要求事項にすべて満足すれば、繰返し運転における解析は不要です。材料の要求事項、設計、施工、試験と検査に適合することにより満足することにより、Section 4-135 で規定されるピーク応力制限が満足されると考えられます。」