DNV規格による管厚さ計算 (DNV Wall Thickness Calculator) では、CAESAR II の配管系応力解析と合わせ、パイプラインの敷設深さ、圧力条件と DNVGL-ST-F101 (Submarine pipeline systems) 配管規格に基づいて、オフショアパイプラインの必要管厚さを推定します。
パイプラインの異なる敷設位置に応じて、水深や材料費に基づいて管厚さを用いることができます。各々の条件の異なる遷移部位で DNV規格による管厚さ計算 (DNV Wall Thickness Calculator) を用いて新しい必要厚さを推定することができます。
モデルの設定 (Set up the model)
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CAESAR II メインウィンドウの ホーム (Home) > 入力 (Input) > 配管系入力 (Piping Input) をクリックして、基本配管入力 (Classic Piping Input) ダイアログ で配管モデルを作成します。
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規格 (Code) は DNV 2017 を選択して、許容応力 (Allowable Stress) 情報を設定します。
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実行開始 (Start Run) をクリックして、エラーチェックを実行します。ソフトウェアが発見したエラーを修正します。
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静的荷重ケース編集 (Edit Static Load Cases) をクリックします。
静的解析 - 荷重ケース エディタ (Static Analysis - Load Case Editor) ウィンドウが表示されます。
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必要とする荷重ケースと風荷重を作成します。
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組合せ荷重ケースには LMST 応力タイプ (Stress Type) を使用します。
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空 (empty)、満水状態 (water-filled installation)、運転 (operation)、耐圧試験 (hydrotest) でのサンプルの荷重ケースをインポートできます。ソフトウェアは C:\ProgramData\Intergraph CAS\CAESAR II\<version number>\System フォルダーに DNV Recommended Load Cases.xlsx を用意しています。静的解析 - 荷重ケース エディタ (Static Analysis - Load Case Editor) ダイアログの Excel ファイルを読み込み (Import Excel File) を使用します。
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保存 (Save)、次に キャンセル (Cancel) をクリックして 基本配管入力 (Classic Piping Input) に戻ります。
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管厚さの推定に使用する配管ライン上の要素位置を決定します。
DNV規格による管厚さ計算の実行 (Run the DNV Wall Thickness Calculator)
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DNV規格で設計する最初の要素を選択し、DNV規格による管厚さ計算 (DNV Wall Thickness Calculator) をクリックします。
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全体 (Global) タブ でパイプラインの全体設定を定義します。
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形状 (Geometry) タブ の配管入力と 材料 (Material) タブ の許容応力を見直します。
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参照データ (Reference Data) タブ で圧力ケース、設計 (Design) タブ で破壊 (burst) と座屈詳細 (buckling details)、荷重相互作用 (Load Interaction) タブ で荷重相互作用詳細を定義します。
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右側に示される計算結果ウィンドウの内容を見直します。当該パイプライン要素に用いる推奨最大必要厚さ (treq) を検索します。
値を追加あるいは変更すると結果が自動的に更新されます。
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更新 (Update) をクリックします。-8 0v
ソフトウェアは最大必要厚さを配管入力とするかを問い合わせるメッセージを表示します。
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はい (Yes) をクリックしてモデルの選択した要素の管厚さを変更します。
DNV規格による管厚さ計算 (DNV Wall Thickness Calculator) が終了します。
ソフトウェアは 基本配管入力 (Classic Piping Input) の Wt/Sch を DNV管厚さ計算の最大厚さ (treq) に変更します。
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設計 (Design) タブの 配管のPintの深さ (Depth of Pint in Pipe) の値を確認してください。基本配管入力 (Classic Piping Input) の 座標 (Coordinates) リストで示される節点座標で定義される深さに合致していなければなりません。
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管厚さは商用ベースの公称厚さとは合致していない場合があります。そのような場合は、必要厚さを下回らない公称厚さに丸めてください。
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計算すべき残りのすべての要素に対して、手順1 を繰り返して水深と材料費に応じて厚さを推定してください。
DNV管厚さ計算を使ったモデルの解析 (Analyze the model with calculator results)
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基本配管入力 (Classic Piping Input) で バッチ処理 (Batch Run) をクリックして、モデルのエラーチェックと解析を行います。
解析が終了すると、静的出力プロセッサ (Static Output Processor) ウィンドウが表示されます。
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次に示すレポートが作成されます:
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設計厚さをまとめた DNV 厚さ概要 (DNV Thickness Overview)
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最小厚さと関連する値をまとめた DNV コンポーネント (DNV Components)
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断面力 (荷重とモーメント) をまとめた DNV 詳細 (DNV Details)
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DNV コンポーネント (DNV Components) レポートでは、最小厚さと関連する値を見直してください。
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関連する値が 1.0 未満の場合は、厚さの値は許容範囲内であり、モデルの修正は必要ありません。
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関連する値が 1.0 かそれ以上の場合はモデルを細かくして次に示す手順に従ってください。
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関連する値が 1.0 かそれ以上の場合、DNV管厚さ計算を再実行し細かく変更したモデルを再解析
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静的出力プロセッサ (Static Output Processor) を閉じて 基本配管入力 (Classic Piping Input) に戻ります。
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各々の要素に対して DNV規格による管厚さ計算 (DNV Wall Thickness Calculator) をクリックします。
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DNV 詳細 (DNV Details) レポートから断面力 (荷重とモーメント) を 荷重相互作用 (Load Interaction) タブに追加します。
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新しい断面力 (荷重とモーメント) がどの程度必要厚さ (treq) に影響を与えるかを確認します。Treq 計算結果が前の結果と異なっているような場合には、更新 (Update) をクリックして treq value to基本配管入力 (Classic Piping Input) の Wt/Sch に最大 treq の値を再適用します。
全体 (Global) タブの値は変更しないでください。変更してしまうと、前の結果が無効になってしまいます。前に計算した要素に対して再度 DNV管厚さ計算をしなければならなくなります。
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バッチ処理 (Batch Run) をクリックして、新しい管厚さでのモデルのエラーチェックと解析を行います。
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DNV コンポーネント (DNV Components) レポートを再作成し、すべての関連する値が 1.0 未満であることを確認します。