ハンガートラベル計算の運転ケースでは、通常ハンガー位置のハンガーのばね定数は考慮されません。このケースは、従来の 自由な熱膨張 (free thermal) ケースとなります。しかしながら、配管系に非常にたわみ性がある場合、あるいは選択されたばねが非常に剛な場合には、実際の据付け時のスプリング荷重は理論的な計算結果とは著しく異なることがあります。このように荷重が変化する場合には、おそらくはより短いより正確なばねの変形ではさらに小さいスプリングが選定されるでしょう。このような場合には、CAESAR II は繰返し計算でハンガートラベルに対して運転荷重における選択したスプリングのばね定数を考慮するオプションを用意しています。
環境設定 (Configure\Setup) で Include Travel (トラベルケースを含む) を As Designed (設計) と変更することで、新しいモデルに対してこのオプションを設定することができます。このオプションは、荷重ケース (Load Cases) タブ (静的解析 - 荷重ケース編集 ダイアログ) の ハンガー剛性 (Hanger Stiffness) オプションを 設計 (As Designed) に変更することで有効にすることもできます。
このオプション選択により、収束の問題を起こすかもしれません。このオプションを使用した場合、荷重ケースでのハンガー荷重は計算されたハンガーの コールド時荷重 (Cold Load) に合うようにしてください。
このあとに続く荷重ケースに取り込むハンガー初期荷重セット H (理論的コールド時荷重) は常になければなりません。
現在の配管系に熱膨張と変形の影響を適用することは、コールド時荷重から運転ケースにおける熱の方向に移動するか、バランスさせるようにしているかに注意してください。