構造物節点 1000 の X、Y、Z方向の剛性を推定する例題です。一般に、構造物の 3方向の剛性は 1点に集約され、6´6 の剛性マトリックスとして表されます。まず、1直交成分として並進方向の剛性推定を行えます。
構造物鋼材例#3 の構造物入力データを指定 (Specify the structural input data for Structural Steel Example #3)
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CAESAR II メインウィンドウリボンの ファイル (File) > 新規作成 (New) をクリックします。
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ファイルの種類で Structural Input を選択して、この例ではファイル名を SUPP3 と入力します。
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CAESAR II データフォルダーを選択して、OK をクリックします。
Units Selection ページが表示されます。
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Next をクリックして、現在の単位系をデフォルトの ENGLISH.FIL で承認します。
Vertical Axis Selection ページが表示されます。
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鉛直軸が Y-axis に設定されていることを確認して、Next をクリックします。
Material Selection ページが表示されます。
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Material Selection ダイアログで Next をクリックして、デフォルトの材料特性を使用します。
Cross Section Selection ページが表示されます。
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2つの断面を指定します。Section ID 1 は W12X65、Section ID 2 は W10X22 を選択して Next をクリックします。
Model Definition Method Selection ページが表示されます。
Method 1 - Element Definitions (デフォルト設定) を選択して、Element Dimension (Edim) オプションを用いて入力します。Finish をクリックします。
CAESAR II Structural Input ダイアログを開いて、対話形式でデータを入力できます。モデラーの各行にある矢印をクリックして、情報を展開または格納します。
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対話形式の入力プロセッサで、次のようにコマンドを入力します。
これらのコマンドをテキストエディターで入力して読み込み、モデルに .str ファイルを読み込むこともできます。詳細は、構造物鋼材例 #2 - ノズル荷重を制限するサポート設計 (Design a support to limit nozzle loads) を参照してください。
UNIT ENGLISH.FIL
VERTICAL=Y
MATID 1 YM=29E6 POIS=0.3 G=11.6E6 DENS=0.283
SECID 1 W12X65
SECID 2 W10X22
; Preceding entries completed by opening dialog
; Columns have strong axis in Z (Default is X)
ANGLE=90
; Generate all columns
EDIM FROM=5 TO=10 BY=5 LAST=20 DY=12-
EDIM 25 30 BY=5 LAST=40 DY=12-
EDIM 45 50 BY=5 LAST=60 DY=12-
EDIM 65 70 BY=5 LAST=80 DY=12-
; Beam orientation is standard
ANGLE=0
; Set the default Section ID to 2
DEF SECID=2
; Beams are pinned, both ends are free to rotate
BEAM FIX
; Define most beams
EDIM 10 30 5 LAST=35 DZ=-14-
EDIM 30 50 5 LAST=60 DX=-10-
EDIM 50 70 5 LAST=80 DZ=14-
EDIM 70 10 5 LAST=20 DX=10-
; Node 1000 will be fixed in rotation
BEAM FIX FAXIAL FSHRSTR FSHRWEAK TAXIAL TBNDSTR TBNDWEAK TSHRSTR TSHRWEAK TTORS
; Add midpoint 1000 on top beam
EDIM 20 1000 DZ=-7-
EDIM 40 1000 DZ=7-
; Define anchors at the bottom of each column
FIX 5 65 BY=20 ALL
; Set representative loads
LOAD 1000 FX=0000 FY=10000 FZ=10000
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モデルデータをすべて入力すると、SUPP3 構造物モデルは次のように表示されます:
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モデルを正しく入力したら、File > Save を選択してモデルをチェックして保存します。
CAESAR II が入力をチェックします。致命的なエラーがなければ、CAESAR II Execution (実行) ファイルが作成されます。モデルは配管系解析にも構造物の解析にも利用できます。この例では、構造物モデルのみを解析します。
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OK をクリックして CAESAR II Structural Modeler Input ダイアログを閉じます。
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CAESAR II メインウィンドウに戻ります。
構造物鋼材例 #3 を解析する (Analyze the structural model for Structural Steel Example #3)
構造物入力処理は、ドキュメンテーションとチェック用の一連のリストを作成します。
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SUPP3 ジョブが CAESAR II メインウィンドウで開かれているままで、解析 (Analysis) > 配管系 (Piping) > 静的解析 (Static Analysis) をクリックします。
静的解析 (Static Analysis) ダイアログが表示されます。
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荷重ケース (Load Case) 1 (L1) の Weight (W) (自重荷重) は F1 (適用された荷重) に置き換わります。
ユーザーは 荷重ケース (Load Cases) ボックスに直接 FI を入力できます。
ここからは、配管系解析のように構造物鋼材の解析が実行されます。構造解析の出力は変形と荷重から構成されています。
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解析を実行 (Run the Analysis) をクリックして解析を開始し、OK をクリックします。
静的解析 (Static Analysis) ダイアログが表示されます。
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解析された荷重ケース (Load Cases Analyzed) ボックスで荷重ケース F1 を選択し、標準レポート (Standard Reports) で 変位 (Displacements) と 要素全体座標荷重 (Global Element Forces) を選択します。
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追加 (Add) をクリックして、完了 (Finish) をクリックし、レポートを出力します。
荷重ケース F1 の 変位 (Displacements) と 要素全体座標荷重 (Global Element Forces) レポートが次のように出力されます。
この構造物は柱の方向により、Z寸法が大きいにもかかわらず、X方向に剛性が高くなっています。要素全体座標荷重 (Global Element Forces) (荷重とモーメントを表示) レポートでは、すべての梁はピン接合です。ほとんどの梁で断面力が生じていません。このモデルでは、梁への荷重伝達は並進方向の変位によって梁への荷重伝達は行われておらず、柱端部での回転により行われています。
十字ブレースを設置することでこの問題は解決され、梁に荷重が伝達されます。要素 20-1000 と 40-1000 の端部節点1000 はモーメントを伝達していますが、これは端部がピン接合ではないためです。端部節点1000 は荷重作用点に対する中央節点にほかなりません。
Kx = 10,000 lb. / 7.0909 in. = 1410 lb./in
Ky = 10,000 lb. / 0.2828 in. = 35360 lb./in.
Kz = 10,000 lb. / 25.7434 in. = 388 lb./in.