基本理論 (Underlying Theory) - CAESAR II - ヘルプ

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12

鋼材や他の均一な材料の挙動はよく理解され、建築鋼材として広く使われています。 配管、および圧力容器の規格 (参照1) の発展は、20世紀初頭からこれらの材料によってもたらされています。 Markl らの 1940年代から 1950年代の研究成果から、今日の配管応力解析の基礎を形作り、産業によりさまざまな規格になって今日に至っています。 電子計算機の発達によって、配管応力解析プロフラム (参照2) が出現し、さらに改良を重ねて鋼材の配管はその限界にまで使われるようになっています。 1980年代には、マイクロコンピューターが一般的になり、そこで動く配管応力解析プログラムが、教育と、技術サポートと手近に利用できる技術資料によって、応力解析の能力をほとんどすべてのエンジニアにもたらすようになりました。 短い時間で、100年近くの間に蓄積された経験を、さらに改良されつつある技術とともに、エンジニアの能力を高め、鋼材の配管ばかりでなく他の金属材料の配管設計を可能としています。

繊維強化プラスチック (FRP) と他の複合材配管材料については、状況は同じではありません。 繊維強化プラスチックは 1950年代なって初めて開発され、ここ数十年で広がりつつあるに過ぎません (参照3)。 FRPメーカーの努力にもかかわらず、応力解析の実績はあまり多くはありません。 多くのメーカーは、繊維強化プラスチックス製品について、静水圧と繰返し圧力、短軸引っ張りと圧縮、曲げ、組み合わせ荷重など、かなりの量の応力試験を行っていますが、 不均一な材料に対する応力解析への理解不足で従来からの困難さが依然として残っています。 最初に、これらの材料の挙動と損傷モードが非常に複雑で、完全に理解されていないことで不正確な解析手法が使われていること、一般的に最善と思われる認識がないことがあげられます。 この認識の欠如が、解析手法の簡易化と標準化を遅らせています。ただ、BS 7159 Code Design and Construction of Glass Reinforced Plastics Piping (GRP) Systems for Individual Plants or Sites は個々の設備でのみ用いられ、UKOOA Specification and Recommended Practice for the Use of GRP Piping Offshore は全くの例外です。 2番目に、不均一であり、FRPの直交異方性挙動や他の複合材料は、結晶構造に起因した均一で等方性の材料用に開発された配管応力解析アルゴリズムの使用を妨げていました。 一般に受け入れられる手順がないため、厳しい条件での FRP 配管の使用を遅らせていました。

FRPでできた部品の応力解析は、いろいろ点から照査しなければなりません。 これらは、 Micro-Mini-Macro と呼ばれ、「MMM」原理に従って解析手順を進めることが大事です(参照4)。