それぞれの荷重ケースで組み合わせる荷重を入力します。ソフトウェアは内圧、外圧、水圧試験、風荷重、地震荷重の様々な組み合わせに対する計算を行います。最大 20ケースまでの荷重の組み合わせが定義でき評価されます。荷重ケースは追加すべき荷重の省略記号で定義します。たとえば、「IP+OW+WI」は内圧、運転重量、風荷重の合計になります。ソフトウェアは次に示すデフォルトの荷重ケースを用意しています:
荷重 |
荷重の組み合わせ |
---|---|
1 |
NP+EW+WI+FW+BW |
2 |
NP+EW+EE+FS+BS |
3 |
NP+OW+WI+FW+BW |
4 |
NP+OW+EQ+FS+BS |
5 |
NP+HW+HI |
6 |
NP+HW+HE |
7 |
IP+OW+WI+FW+BW |
8 |
IP+OW+EQ+FS+BS |
9 |
EP+OW+WI+FW+BW |
10 |
EP+OW+EQ+FS+BS |
11 |
HP+HW+HI |
12 |
HP+HW+HE |
13 |
IP+WE+EW |
14 |
IP+WF+CW |
15 |
IP+VO+OW |
16 |
IP+VE+EW |
17 |
NP+VO+OW |
18 |
FS+BS+IP+OW |
19 |
FS+BS+EP+OW |
20 |
荷重に対して次の省略記号が使われています:
BN |
Bending Stress due to Lat. (風荷重ケースで腐れ後の水平方向荷重による曲げ応力)Forces for the Wind Case, Uncorroded (風荷重ケースで腐れ代を考慮しない水平方向荷重による曲げ応力) |
BS |
Bending Stress due to Lat. (風荷重ケースで腐れ後の水平方向荷重による曲げ応力)Forces for the Seismic Case, Corroded (地震荷重ケースで腐れ後の水平方向荷重による曲げ応力) |
BU |
Bending Stress due to Lat. (風荷重ケースで腐れ後の水平方向荷重による曲げ応力)Forces for the Seismic Case, Uncorroded (地震荷重ケースで腐れ代を考慮しない水平方向荷重による曲げ応力) |
BW |
Bending Stress due to Lat. (風荷重ケースで腐れ後の水平方向荷重による曲げ応力)Forces for the Wind Case, Corroded (風荷重ケースで腐れ後の水平方向荷重による曲げ応力) |
CW |
Axial Weight Stress, New and Cold (no corrosion allowance, CA) (新規冷間時長手重量応力、腐れ代を考慮しない) |
EE |
Bending Stress due to Earthquake Moment (Empty) (地震モーメントによる曲げ荷重 - 空) |
EP |
External Pressure (外圧) |
EQ |
Earthquake Load (地震荷重) |
EW |
Empty Weight (空の重量) |
FS |
Axial Stress due to Applied Axial Forces in Seismic Cases (地震荷重ケースによる長手方向応力) |
FW |
Axial Stress due to applied forces in Wind Cases (風荷重ケースによる長手方向応力) |
HE |
Hydrotest Earthquake (水圧試験時の地震荷重) |
HI |
Hydrotest Wind (水圧試験の風荷重) |
HP |
Hydrotest Pressure (水圧試験圧力) |
HW |
Hydrotest Weight (水圧試験重量) |
IP |
Internal Pressure (内圧) |
NP |
No Pressure (圧力なし) |
OW |
Operating Weight (運転重量) |
WE |
Wind Bending Moment, New and Cold (Empty) (no CA) (新規冷間時風荷重曲げモーメント - 空、腐れ代を考慮しない) |
WF |
Wind Bending Moment, New and Cold (Filled) (no CA) (新規冷間時風荷重曲げモーメント - 満水、腐れ代を考慮しない) |
WI |
Wind Load (風荷重) |
風荷重、地震荷重のような活荷重は運転と水圧試験状態に対して計算されます。両方ともに基本荷重計算は同じですが、通常、水圧試験の活荷重は運転活荷重に対する割合になります。これらの水圧試験割合 (パーセント) を活荷重定義で入力します。
Design Constraints (設計条件) タブ で Consider Vortex Shedding を選択した場合には、次の荷重を用いることができます:
VO |
Bending Stress due to Vortex Shedding Loads (Ope) (渦流荷重による曲げ応力、運転状態) |
VE |
Bending Stress due to Vortex Shedding Loads (Emp) (渦流荷重による曲げ応力、空状態) |
VF |
Bending Stress due to Vortex Shedding Loads (Test, no CA.) (渦流荷重による曲げ応力 - 試験、腐れ代なし) |
PV Elite は個々の荷重ケースの荷重記号の前にファクターが入っています。これらの係数は対応する荷重成分で計算される応力を増減します。たとえば、1.25EQ は地震荷重による応力を設計地震応力よりも 1.25倍に増加させます。荷重ケースとしての完全な形での例は次のとおりです:
IP+OW+0.7143EQ+FS+BS
このような機能は設計者に様々な荷重シナリオを作成することを可能にしています。この機能の他の応用は、風荷重と地震荷重を同じ荷重ケースで同時に考慮することにあります。ASME ではこのようなことは要求されていませんが、いくつかの設計協会ではこのようなやり方を要求しています。他の例を次に示します:
0.7EQ+0.25WI+OW
それぞれの荷重記号の前にかけ算の記号 (*) を付ける必要はないことに注意してください。このボックスがチェックされない場合、1.0 の値がスケールファクターとして用いられます。しかしながら、風荷重や地震荷重に対して全体係数が指定されると、その値が使われます。このことは縦型容器のみに当てはまります。応力計算ではスカートベースプレート、ラグ、レグなどのサポート位置での最大応力が保存されます。この断面の特性から応力を生じるモーメントが計算されて必要に応じてスカート、ラグ、レグの計算に使われます。
いずれの荷重ケースの成分でも係数を指定することができます。しかし、圧力なし (NP) 成分に係数を乗じても意味がありません。いずれのケースに対しても、NP を指定することは圧力がないことを明示する意味になります。
縦型容器ではスカートベースプレート、ラグ、レグなどのサポート位置での最大応力が保存されます。この断面の特性から応力を生じるモーメントが計算されて必要に応じてスカート、ラグ、レグの計算に使われます。
何度か説明していますが、スカートの必要厚さの計算は必要です。断面係数が必要であり、要素の内径 (ID) あるいは外径 (OD) が決まっていないため、曲げ応力、軸応力に基づいてこの値の計算を直接行うことはできません。仮定できたとしても、正確な数学的な結果を作成することができません。厚さの小さな違いによって計算の非線形性から係数 A と B、すなわち許容圧縮応力を変えてしまいます。詳細は、PD 5500, Annex B, paragraph B.1.5 を参照してください。