計算と容器解析結果の表示 - PV Elite - Help - Hexagon

PV Elite Help

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日本語
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PV Elite
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PV Elite
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これらのステップのそれぞれで計算を行い、容器解析でそれぞれの結果を表示します。主な解析ステップの簡単な説明を次に示します:

ステップ 0: エラーチェック

入力プログラムでありがちなほとんどのエラーをチェックします。しかしながら、解析が始まってからのみ発見されるいくつかのエラーが存在します。また、いくつかの警告も役立つものです。最初のルーチンチェックで出力レポートにレポートを作成します。入力のエラーによってソフトウェアの解析に支障が生じた場合に、そこで実行は止まります。出力をチェックして、プログラムによってエラーの内容を正しく把握してください。

ステップ 1: 入力エコー

PV Elite はすべての入力に関して一覧を用意しています。鏡、胴、円錐、フランジ、スカートなど各要素の形状、材料データを含んでおり、さらにそれらの要素に接続する部品情報も含んでいます。

ステップ 2: XY座標計算

プログラムはすべての要素の開始節点の X と Y 位置を計算します。

ステップ 3: 内圧計算

モデルの形状、材料、荷重データを使用して、スカートとフランジを除くそれぞれの要素の必要厚さと最大許容運転圧力を計算します。計算では ASME 規格 Section VIII, Division 1 または Dicision 2 規定、あるいは PD 5500 規定を用いています。いずれの位置でも内圧設計圧力が要素の与えられた設計圧力として考慮されます。また、必要があれば液水頭による圧力が加算されます。

Increase Thickness For Internal Pressure (内圧に対する厚さの増加) 設計フラグがチェックされていて、要素の厚さが与えられた圧力よりも薄い場合には、プログラムは自動的にあるいは対話形式での制御で要素の板厚を厚くします。メインメニューの Utilities での計算制御で正確に必要な操作により要素の厚さを増すことができます。あるいは必要厚さを上回るだけの公称厚さに丸めることもできます。

プログラムが厚さを増した場合には、すべての必要厚さと容器の最大許容運転圧力が再計算されます。そして新しい表でこれらの結果が表示されます。

内圧計算が終了すると、PV Elite は計算式と代入結果を印刷します。また、要素の最低設計金属温度も印刷されます。

ステップ 4: 水圧試験計算

ユーザーは、全体入力画面で水圧試験の種類や圧力について指定します。プログラムはこの情報から、最大許容水圧試験圧力と各要素の与えられた圧力に対する必要板厚を計算します。

ステップ 5: 外圧計算

ユーザーが外圧計算での 3つの主要な変数のうち、径と板厚の 2つを明確に定義します。プログラムは 3番目の変数であるセクションの長さを与えられた形状から計算します。2つの鏡といくつかの円筒胴からなる補強リングのない容器ではプログラムは容器の全長と鏡深さの1/3を足して各円筒胴の設計長さを計算します。補強リング付きの場合には、プログラムは近似的により短い値を計算します。

プログラムは各要素の外圧計算の計算式と代入結果を表示します。同じ結果を表形式でも表示することができます。

外圧に対して要素が十分な厚さでないとき、入力の設計ボックスがチェックされていればプログラムは厚さを増すか、あるいは補強リングを追加することができます。これは自動的に作成したりモデルに追加したりすることができます。板厚が増されると、プログラムはステップ 3 に戻ります。

PD 5500

PD 5500 による外圧計算が行われると、プログラムは最初与えられた形状についてセクションの長さを計算します。セクションの長さは補強リング間の長さ、あるいは補強リングなしでは容器の全長に鏡深さの 0.4倍を足した長さになります。

セクションの長さを用いて、プログラムは最初に支持されていない円筒胴、あるいは支持間の距離の厚さが与えられた圧力で満足するかどうかを確認します。Pmax の値が決定されます。

補強リングがある場合にはプログラムは Section 3.6.2.3 に従った計算を行います。プログラムは最初に Method A で計算します。次により合理的な Method B の計算を行います。これらの方法のいずれに対してもそれぞれの n で Pn と Fn を得ることになります。

Pn は補強された円筒胴あるいは円錐の弾性不安定圧力です。板を溶接して製作された、あるいは熱間成型された補強リングでの Pn の値は 1.8*Pext 以上、冷間成型された補強リングでは 2.0*Pext 以上である必要があります。

Fn は補強リングフランジ部の最大応力を補強リングの降伏点で除した値です。Fn の値は板を溶接して製作された、あるいは熱間成型された補強リングおよび冷間成型された補強リングについて計算されます。これらの値は 0.0 から 1.0 の間になる必要があります。

ステップ 6: 要素の重量

要素の重量は腐れ代を考慮する場合と考慮しない場合とで計算されます。鏡では、入力で与えられた距離を鏡のストレートフランジ長さとします。このステップで要素の体積も計算します。

ステップ 7: 部品重量

それぞれの部品について個別の重量計算が行われます。縦型容器と横置容器の両者において、鏡と円筒胴の液の部分的な液容積は正しく計算されます。

ステップ 8: ANSI フランジ MAWP

ノズルの入力では、材料、接続フランジのクラスを入力します。PV Elite はすべての ANSI フランジのテーブルを持っており、フランジの運転時の圧力-温度基準を知らせてくれます。

ステップ 9 と 10: 全重量と部品モーメント

いくつかの重量ケースを計算に含んでいます。空、運転、水圧試験です。次に示す様々な部品の重量/荷重を含んでいます:

部品

運転

水圧試験

サドル

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プラットフォーム

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パッキング

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断熱材

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ライニング

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リング

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ノズル

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サドル

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トレイ

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レグ

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ラグ

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重量

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荷重/モーメント

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このステップで個々の部品によるモーメントも計算します。これらは容器の中心にあるとは限りません。これらは通常小さな値になります。最終的にサポート位置における荷重を計算します。部品のみによる鉛直荷重と曲げモーメントがスカート、レグ、ラグなどの「1つのサポート」ケースとして計算され、2つのサドルサポートの場合にはそれぞれのサポートでの鉛直荷重が計算されます。

上記の重量計算の他、PV Elite は製作時の重量、工場試験時の重量、運送時の重量、建設時の重量、空重量と現場試験時の重量を計算します。計算された重量はパッキングその他の取り外し可能なものや現場据え付けアイテムが含まれます。これらの部品が据え付け時のものか、工場製作時のものか、現場でのものなのかを全体入力で指定することができます。全体入力画面に移って、画面のトップにある Installation Miscellaneous Options (据付その他のオプション) ボタンをクリックします。デフォルトではプログラムはすべての部品が工場で取り付けられると仮定し、これらの様々な重量を計算します。

容器の合計された重量は縦型容器のスカート、レグ、そしてラグの場合よりも横置容器でのサドルサポートで著しく異なります:

横置容器の場合: 両端、あるいは中央で重量がほとんどゼロでサドル近くの最も大きい重量を想定します。

縦型容器の場合: トップで重量による荷重はゼロであり、サポート部で最大になります。サポートの下に要素がある場合には重量による荷重は負の値になります。

合計されたモーメントは偏心した部品によるモーメントのみになります。大きなモーメントを作用させない限り、通常はかなり小さな値です。

ステップ 11: 固有振動数計算

PV Elite は 2つの古典的な解法を用いて容器の基本固有振動数を計算しています。縦型容器ではプログラムはフリース (Freese) の方法によっています。これは業界でよく使われる方法です。横置容器ではレーレー (Rayleigh) とリッツ (Ritz) による同様の方法を用いています。それぞれ方法では容器の静的な変形を計算します。縦型容器では容器は水平方向の片持ち梁として扱われます。固有振動数は変位の平方根に比例します。PV Elite は固有値解析でマトリックス解法を使って振動モードを計算しています。横置容器は剛として固有振動数を 33 Hz としています。これは剛な構造物の ZPA と一致させています。

ステップ 12: 風荷重計算

PV Elite は ASCE-7、NBC、UBC、IS-875 などを用いて風荷重を計算します。これらの規格のそれぞれがベースとなる風圧を使っています。これは速度の平方根の関数で、いくつかの地表面と立地条件の係数によって最終的な風圧を決定しています。

ステップ 13: 地震荷重計算

ソフトウェアでは、ASCE-7、UBC、NBC、IS-1893 RSM、IS-1893 SCM などの規格を使うことができます。静的な等価荷重を用いて地震荷重をモデル化しています。簡単なサイトデータと荷重データで容器に作用する想定される静的に等価な水平荷重を決定しています。

ステップ 14: 風荷重と地震荷重によるせん断と曲げモーメント

これらの荷重は水平荷重を作成します。通常、横置容器ではわずかですが、縦型容器では高い転倒モーメントになります。プログラムは容器のせん断と曲げモーメントの合計を計算して、後の応力計算に使います。

ステップ 15: 風荷重による変位

PV Elite は横置容器と縦型容器のいずれに対してもすべての節点での変位を計算します。

ステップ 16: 長手応力定数

プログラムは容器の構造計算のための準備をします。最初に各要素の腐れ代を考慮した場合と考慮しない場合の断面積と断面係数を計算します。

ステップ 17: 長手許容応力

各要素の長手方向について4つの許容応力があります: (1) 基本許容応力に基づく長手引っ張りで、全体入力の指定によってしばしば 1.2倍されます (2) 水圧試験での長手引っ張りで常温での許容応力が 1.5倍されます。(3) 規格の UG-23 に基づく長手圧縮と材料の外圧チャートによる値をとります。(4) 水圧試験許容圧縮で腐食前の常温での基本許容圧縮の 1.5倍です。

ステップ 18: …による長手応力. .

風荷重、地震荷重、重量、圧力のそれぞれの荷重で応力が生じます。これらは個々に計算され、このステップで結果が表示されます。曲げ応力は一度だけしか表示されません。容器の片側で引張りとなり反対側で圧縮となります。

ステップ 19: 組合せ荷重による応力

このステップで定義された様々な荷重ケースでの組合せが評価されます。モデルに作用する荷重とモーメントがあれば BS、BN などの識別子が荷重ケース定義で表示されます。

最大 20ケースまで、組合せ圧力荷重、重量荷重、モーメントの様々な荷重ケースが扱えます。想定される荷重ケースについてはデフォルトで用意しています:

荷重ケース

定義

1 NP+EW+WI+FW

圧力なし + 空重量 + 風荷重

2 NP+EW+EQ+FS

圧力なし + 空重量 + 地震荷重

3 NP+OW+WI+FW

圧力なし + 運転重量 + 風荷重

4 NP+OW+EQ+FS

圧力なし + 運転重量 + 地震荷重

5 NP+HW+HI

圧力なし + 水圧試験重量 + 水圧試験時風荷重

6 NP+HW+HE

圧力なし + 水圧試験重量 + 水圧試験時地震荷重

7 IP+OW+WI+FW

内圧 + 運転重量 + 風荷重

8 IP+OW+EQ+FS

内圧 + 運転重量 + 地震荷重

9 EP+OW+WI+FW

外圧 + 運転重量 + 風荷重

10 EP+OW+EQ+FS

外圧 + 運転重量 + 地震荷重

11 HP+HW+HI

水圧試験圧力 + 水圧試験重量 + 水圧試験時風荷重

12 HP+HW+HE

水圧試験圧力 + 水圧試験重量 + 水圧試験時地震荷重

13 IP+WE+EW

内圧 + 空時風荷重 + 空重量

14 IP+WF+CW

内圧 + 満液時風荷重 + 腐れ代を考慮しない空重量

15 IP+VO+OW

内圧 + 運転時渦流 (OPE) + 運転時重量

16 IP+VE+OW

内圧 + 空時渦流 (EMP) + 運転時重量

17 IP+VF+CW

内圧 + 満液時渦流 + 腐れ代のない空時重量

風荷重と水圧試験時風荷重の違いは単純な比率 (パーセント) でユーザーが定義するものです。この比率は全体入力の風荷重データで指定され、通常は 33%程度になります。この設定は運転時の風荷重に対して水圧試験時の風荷重が 33%程度であるという意味になります。同様に、水圧試験時の地震荷重は運転時の地震荷重の比率になり、比率は全体入力データの地震荷重データで定義されます。

固有振動数のような、横置容器では適用されないいくつかのステップは印刷されません。同様に、容器にサポートがなければ風荷重あるいは地震荷重を含む計算は行われません。