目的、範囲と技術的根拠 - PV Elite - Help - Hexagon

CodeCalc Help

Language
日本語
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PV Elite
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CodeCalc は円筒胴、単純な円錐と成型鏡に対する次に示す きずの評価を行います:

  • Section 4, General Metal Loss (全面減肉)

  • Section 5, Local Metal Loss (局部減肉)

  • Section 6, Pitting Corrosion (ピッチングコロージョン)

それぞれのきずの種類に対して用いることのできる評価レベルが 3つあります。

  • Level 1 - チャート、簡単な計算式と安全側の仮定に基づいた簡易手法

  • Level 2 - より詳細な評価が必要で、より精度の高い結果をもたらす手法

  • Level 3 - FEM などのさらに合理的な手法を使ったきずの評価手法

CodeCalc は Level 1 と Level 2 の評価手法を用意しています。許容範囲にあるかどうかによって、それぞれの評価手法で残存寿命あるいは MAWP の再設計値が計算されます。

Section 4 はコロージョンとエロージョンによる部品の全面減肉に対する評価手順になっています。一方、Section 5 は局部減肉 (Local Thin Areas - LTAs) の解析になっていて溝状のきずあるいは円形のえぐれを対象としています。一般的には、Section 4 の手順を使ったきずの評価はより安全側の結果になります。

局部減肉 (LTAs) に Section 4 と 5 を適用した場合の違いは次のとおりです:

  • Section 4 - Level 1 と 2 の評価に際して、規則は平均厚さをベースにします。平均的な手法では ASME規格の規則によって運転継続が受容できるかを決定します。

  • Section 5 - Level 1 と Level 2 の評価に際して、規則は残存強度係数 (Remaining Strength Factor - RSF) をベースにして、運転継続が許容できるかを決定します。

Section 4 で記述されている全面減肉評価は、ランダムな読み取りによる計測された位置での厚さあるいは格子状の読み取りにより厚さ分布のデータを使って行われます。API RP 579 では解析に最小で 15個の計測データが必要です。

Section 5 で記述されている局部減肉は Figure 10.3 に示されている格子状の読み取りにより厚さ分布のデータを使うことで行われます。分布の種類選択一覧では 2つのデータ入力の種類が用意されています。すなわち、格子とクリティカル厚さ分布 (Critical Thickness Profile - CTP) です。周方向と長手方向にデータを入力するための必要な数の行と列が用意されます。

ランダムな読み取りによる計測された位置での厚さあるいは格子状の読み取りにより厚さ分布のデータともに計測データ総数は256個です。

ほとんどの評価で、最初に Section 4 を使って評価し、必要であれば次に Section 5 を使って評価することを推奨しています。Section 4 の規則は Section 5 と整合性を持った結果になりますが、評価が変更された場合の評価の適用範囲に対する責任は常に設計者にあります。

Level 1 と Level 2 評価の API 579 Section 4 制限は次のようになっています:

  • 原設計は承認された規格または標準であること

  • 部品はクリープ温度での運転でないこと

  • 減肉の範囲は滑らかで連続し切欠きのないこと

  • 部品は繰り返し運転条件でないこと (合計150サイクル未満であること)

  • 評価される部品は亀裂状のきずを持たないこと

  • 評価される部品には圧力と他の荷重に関する必要厚さを求める設計式があること

  • いくつかの例外を除いて、圧力と他の荷重に関する必要厚さを求める設計式がない次の特殊な部品では Level 2 評価を使ってもよい:

    • 圧力容器ノズルと管ブランチ

    • 円筒胴と平鏡の接合部

    • 一体型管板接合部

    • フランジ継手

    • 配管系

現在、CodeCalc はノズル、フランジ継手、管板、平鏡、配管系部品に関して API 579 をサポートしていません。

適用荷重に対して次の制限を満足することが必要です。

  • Level 1 assessment - 部品には内圧あるいは外圧が作用する (付加的な荷重は無視できる)

  • Level 2 assessment - 部品には内圧あるいは外圧と自重、風荷重と地震荷重などの付加的な荷重が作用する

API 579 Section 5 Level 1 と Level 2 の評価に対する制限は Section 4 の制限と同様ですが、次の項目が追加されています:

  • 部品は外圧を受けることがないか、半楕円鏡のナックル部、皿形/楕円錐鏡あるいは円錐胴部の 0.8D 範囲外のきず

  • 材料の組成が十分な靱性を有している

  • 溝状のきずでは次のような特別な規定があります:

    • 機械的冷間加工されていない溝状のきず

    • 機械的冷間加工されている溝状のきず

さらに詳しい情報は、API Recommended Practice 579 の Section 4 と Section 5 を参照してください。

Section 6 は次のようなピッチングによる損傷を受けた部品に対する評価手順を示しています:

  • 広い範囲のピッチング

  • 局所的なピッチング

  • 広い範囲のピッチングにある局部減肉部

  • 局部減肉範囲にあるピッチング

ピッチング損傷は部品の内面、外面あるいはその両方に起こりえます。両面にピッチングがある部品では、データのそれぞれのピッチング対の位置に注意を払う必要があります。ピッチング損傷はピッチング対で記述され、それぞれは減肉していない金属部分によって分離された 2つのピッチングで構成されます。ピッチング対の決定手順は API 579 paragraph 6.3.3.3 に記述されています。損傷部位でのピッチング対の代表的な数が使われます。ピッチングによるきずが均一であれば 10ピッチング対計測が使われます。非均一なピッチングの傷であれば、付加的なピッチング対計測が要求されます。CodeCalc は 36ピッチング対計測まで解析が可能です。

API 579 Section 6 Level 1 と Level 2 評価の制限は Section 5 Level 1 と Level 2 の評価に対する制限と同様です。さらに詳しい情報は、API RP 579 Section 6 を参照してください。