管板をフランジとして拡張した時の中間結果:
管板計算では、フランジ拡張管板に 2つの主要な追加が行われました。最初の一つは、ほとんどの管板で厚さに大きな影響を与える圧力によるモーメントを追加しています。二番目は、フランジとして機能する管板部のモーメントでこのモーメントを評価します。TEMA 標準では、ASME 規格 Appendix 2 の規定に従ってこれらの条件を評価することを要求しています。すなわち、これらの規則はフランジ部の曲げモーメントを評価する必要があることを示しています。出力のこのセクションでこれらのモーメントが評価されています。PD 5500 におけるフランジの設計規則も ASME 規格 Appendix 2 の規定と同様です。
これらの計算は管板のフランジ部における基本的なボルト荷重を表しており、取り合いフランジと同じになります。取り合いフランジと比べると、実際の曲げモーメントは異なるかもしれません。フランジ伸長管板はリングタイプのフランジとして計算されます。応力は表示されませんから、採用するボルト面積と必要ボルト面積を比較して十分なボルト締め付け力が得られるかチェックする必要があります。ボルト間隔補正係数は自動的にボルト荷重に含まれ、荷重にボルト補正係数に距離が乗じられます。
形状定数、圧力と厚さ係数:
チューブの径、ピッチとパターンは管板厚さ計算での 'eta' の計算に使用されます。これらの規則は三角形、回転三角形、矩形、回転矩形配置で同じになっています。管板がせん断応力で支配される場合には、プログラムはせん断計算に周長と管板の面積が必要になります。これらの必要なデータが入力されていないと、エラーが表示されます。面積を過大評価し、周長を過小評価すれば、結果は安全側になります。
熱交換器のタイプと耐圧部品あるいはガスケットの平均径に基づいて G 寸法が計算されます。TEMA 標準では分割タイプを除いたすべての遊動管板は、静止管板の G 寸法を用います。T タイプの遊動管板では実際のガスケット G 寸法でチェックする必要があります。これらのケースでは静止管板の G 寸法を入力することができます。
同様に、F 寸法は熱交換器の種類とシェルとチャネルの接続タイプに基づいて計算されます。これらの計算は Table RCB-7.132 と Table RCB-7.133 に基づいて計算されます。
伸びの差による圧力:
プログラムは縦弾性係数と熱膨張係数のデータベースを持っています。入力スプレッドシートの 材料編集画面 (material editing screen) でユーザーの入力した材料分類からこれらの値を選択します。プログラムが正しい材料番号を選択しているかを確認してください。想定した数値通りになっているかもチェックしてください。これらのデータの出典は TEMA 標準の Table D-10 と D-11 です。TEMA標準の材料に対するプログラムの認識番号は、以下のとおりです:
Chart Number |
Cross Ref. to Elastic Chart |
|
---|---|---|
1 |
3 |
TE-1 : Carbon and Low Alloy Steels |
2 |
4 |
B31.3 : 5Cr - 9Cr |
3 |
6 |
B31.3 : 18Cr - 8Ni |
4 |
6 |
TE-1 : 27Cr |
5 |
6 |
B31.3 : 25Cr20Ni |
6 |
8 |
B31.3 : 67Ni30Cu |
7 |
1 |
B31.3 : 3.5Ni |
8 |
10 |
B31.3 : Aluminum |
9 |
7 |
B31.3 : Cast Iron |
10 |
13 |
B31.3 : Bronze |
11 |
12 |
B31.3 : Brass |
12 |
9 |
B31.3 : 70 Cu - 30Ni |
13 |
6 |
B31.3 : Ni - Fe - Cr |
14 |
6 |
B31.3 : Ni - Cr - Fe |
15 |
7 |
B31.3 : Ductile Iron |
16 |
14 |
TEMA : Plain Carbon Stl & C - Mn Stl. |
17 |
14 |
TEMA : C - Si, C - 1/2Mo & Cr - 1/2Mo |
18 |
14 |
TEMA : C - Mn - Si, 1-1/4Cr - 1/2Mo & 3Cr - 1Mo |
19 |
14 |
TEMA : Mn - Mo |
20 |
20 |
TEMA : 2 - 1/2 & 3 - 1/2Ni |
21 |
17 |
TEMA : 2 - 1/4Cr - 1Mo |
22 |
18 |
TEMA : 5Cr - 1/2Mo |
23 |
18 |
TEMA : 7Cr - 1/2Mo & 9Cr - 1Mo |
24 |
19 |
TEMA : 12Cr & 13Cr |
25 |
19 |
TEMA : 15Cr & 17 Cr |
26 |
15 |
TEMA : TP316 & TP317 |
27 |
15 |
TEMA : TP304 |
28 |
15 |
TEMA : TP321 |
29 |
15 |
TEMA : TP347 |
30 |
15 |
TEMA : 25 Cr-12Ni, 23 Cr-12Ni, 25Cr-20Ni |
31 |
23 |
TEMA : Aluminum 3003 |
32 |
23 |
TEMA : Aluminum 6061 |
33 |
32 |
TEMA : Titanium, Grades 1, 2, 3, 7 |
34 |
21 |
TEMA : Ni-Cu (Alloy 400) |
35 |
24 |
TEMA : Ni - Cr - Cr - Fe (Alloy 600) |
36 |
25 |
TEMA : Ni - Fe - Cr (Alloy 800 & 800H) |
37 |
35 |
TEMA : Ni - Fe - Cr - Mo - Cu (Alloy 825) |
38 |
34 |
TEMA : Ni - Mo (Alloy B) |
39 |
27 |
TEMA : Ni - Mo-Cr (Alloy 276) |
40 |
28 |
TEMA : Nickel (Alloy 200) |
41 |
33 |
TEMA : 70-30 Cu - Ni |
42 |
22 |
TEMA : 90 - 10 & 80 - 20 Cu - Ni |
43 |
29 |
TEMA : Copper |
44 |
30 |
TEMA : Brass |
45 |
29 |
TEMA : Aluminum Bronze |
46 |
29 |
TEMA : Copper - Silicon |
47 |
31 |
TEMA : Admiralty |
48 |
37 |
TEMA : Zirconium |
49 |
15 |
TEMA : Cr - Ni - Fe - Mo - Cu - Cb (Alloy 20Cb) |
50 |
38 |
TEMA : Ni - Cr -Mo - Cb (Alloy 625) |
51 |
39 |
TEMA : Tantalum |
52 |
40 |
TEMA : Tantalum with 2.5% Tungsten |
53 |
43 |
TEMA : 17 - 19 CR ( TP 439 ) |
54 |
44 |
TEMA : AL-6XN |
55 |
47 |
TEMA : 2205 (S311803) |
56 |
48 |
TEMA : 3RE60 (S31500) |
57 |
41 |
TEMA : 7 MO (S32900) |
58 |
42 |
TEMA : 7 MO PLUS (S32950) |
59 |
45 |
TEMA : AL 29-4-2 |
60 |
46 |
TEMA : SEA-CURE |
61 |
16 |
TEMA : C-Si, C-1/2 Mo & Cr- 1/2Mo |
62 |
16 |
TEMA : C-Mn-Si, 1-1/4Cr-1/2Mo & 3 CR - 1Mo |
63 |
17 |
TEMA : C-Mn-Si 1-1/4Cr-1/2Mo & 3 CR - 1Mo |
PD 5500 の場合には、TEMA 標準の番号に近いものに置き換えられ、縦弾性係数と熱膨張係数が検索されます。PD 5500 では温度依存の熱膨張係数が与えられていないため、この方法が必要になります。
固定管板を解析する場合に、プログラムは次の情報を計算します:
-
RCB-7.131 に従った最小管板厚さ
-
RCB-7.132 と RCB-7.133 に従った G、F、ETA 値
-
RCB-7.161 に従った等価な熱による差圧
-
RCB-7.162 に従った等価なボルト圧力
-
RCB-7.163 に従った有効シェル側設計圧力
-
RCB-7.164 に従った有効管側設計圧力
-
RCB-7.132 あるいは RCB-7.133 に従った必要厚さ
-
RCB-7.22 に従ったシェル長手方向応力
-
RCB-7.23 に従った管長手方向応力
-
RCB-7.24 に従った許容圧縮応力
-
RCB-7.25 に従った管と管板継手の荷重
管あるいはシェルの長手方向応力が課題となる場合には、管とシェルの熱膨張量の差が原因しています。たとえば、管が圧縮応力でシェルが引っ張り応力であれば、管はシェルより伸びようとします。この場合、このような軸応力集中係数を解放する伸縮継手が使われます。適切なボックス (Thin Joint モジュールを使った設計) にチェックを入れて薄肉の伸縮継手とするか、(Tubesheet モジュールあるいは Thick Joint モジュールを使った設計) とすることができます。
ステータス バー上での結果の表示
ユーザーがデータを入力すると、プログラムが解析を行い、ステータスバーに重要な計算結果を表示します。また、エラーがあればメッセージが表示されます。これにより管板の設計が迅速に行われ、最適な形状になるように試行錯誤することが容易になります。不合格の場合には赤字で表示されます。ここに例を示します:
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管板モジュールでの厚肉伸縮継手の設計 (Designing a Thick Expansion Joint in the Tubesheet Module)
Tubesheet モジュールで厚肉の伸縮継手の形状を入力したのち、プログラムは伸縮継手の設計を次のように行います:
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伸縮継手のばね定数を計算します
-
固定管板計算で伸縮継手のばね定数を使います
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管板計算結果を使って、主たる圧力 (P’s, P’t, Pd) で伸縮継手の応力を計算します
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それぞれの管板の荷重ケースに対して伸縮継手の計算をします。プログラムは最悪のケースを表示します。詳細な結果も確認することができます。
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PD 5500 による管板設計手順も同様にして行われます。
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ソフトウェアは、特定の厚肉伸縮継手の特性で有限要素法解析 (FEA) を実行することもできます。詳細は、有限要素法解析 (FEA) と ASME または TEMA 伸縮継手 を参照してください。
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