最適化ウィザード (Optimization Wizard) - CAESAR II - ヘルプ

CAESAR II ユーザーズガイド

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日本語
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CAESAR II
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ヘルプ
CAESAR II Version
13

配管系入力 (Piping Input) メニュー: モデル (Model) > 最適化ウィザード (Optimization Wizard)

ウィザード (Wizards) ツールバー: 最適化ウィザード (Optimization Wizard)

配管熱膨張ループ設計を支援します。

このウィザードで、ループ種類と最適化すべき項目である節点応力、拘束荷重について目標値を設定し、指定した要素をループ化してループの形状を最適化できます。ループ最適化ウィザードが実行されると、最適化ルーティンが設定した要素の規格応力、あるいは拘束荷重が目標値を満足するようにループのサイズを決定するまで数回の繰り返し計算を行います。また、異なるループ形状の指定オプション、高さと幅の比の選択オプションばかりでなく、配管長さとベンドの数によるもっとも経済的な設計を CAESAR IIに選択させるオプションも用意しています。

最適化ウィザードを使うに際して、ジョブは少なくとも1回は実行されていなければなりません。この結果として、解決すべき超過応力などがあるものとします。また、その後で変更がされていないことが前提になります。手順を次に示す LOOP-WIZARD.C2 で例示します。

例題 LOOP-WIZARD での結果を確認すると、46,741 psi で熱膨張の超過応力があります。節点 20 での許容値は 41,288 psi です。これは、直管 60-140 の長さによる熱伸びが影響していると推定されます。したがって、この部分にループを設ける必要があります。問題は、どこに、そしてどの程度の大きさが必要かです。

ループ最適化 (Loop Optimizer) ウィザードを起動する前に、まず配管系を取り囲むエリアを確認してください。この確認は、CADWorx Model コマンドを使って、CADWorx (または AutoCAD) プラントモデルをインポートすることで可能です。このケースでは、例として、モデル ...\EXAMPLES\LOOP-WIZARD-PLANT\OVERALL.DWG を取り込みます。このモデルから、要素 60-70 にループを置くと都合がよいことがわかります。

この要素 60-70 を選択して、モデル > 最適化ウィザード (Model > Optimization Wizard) をクリックし、ループ最適化ウィザード (Loop Optimization Wizard) を起動します。ループの設計ウィザード (Loop Design Wizard) ダイアログが表示されます。

ループ最適化ウィザードを使用する:

  1. ループ 60-70 は、既にこの要素にループを設定するとして入力されています。この値をリストから異なる値を選択すること、あるいはグラフィックス上で他の要素を選択することができます。

  2. 最適化の種類として、この場合は 応力 (Stress) を選択します。オプションとして、拘束荷重を選択することもできます。

  3. 荷重ケース (Load Case) リストから、EXP (熱膨張ケース) を選択します。これにより、ダイアログの左側にある要素リストに応力が表示されます。

  4. 応力 (Stress) ボックスに 36,000 と入力して、目標最大応力を定義します。これによって、応力値のうちこの値より大きい応力を示している要素のみが要素リストに再表示されます。

  5. 最大応力 (Max Stress) ボックスを選択して、配管の最大応力を目標値に制限します。

  6. 利用できるアイコンから、ループの種類 (Loop Type) を選択します。この例では、1つめのループ種類を選択します。

  7. 幅比率への高さ (Height to Width Ratio) リストから <none> を選択して、ループの高さがいずれのサイズであれ、幅を一定にします。この例では、末端の配管は要素 60-70 の長さを保持しながら、ループ幅を変えずにベンド半径に設定されています。

    ここでは、どこにループを置くかについて 2つの方法を示します。

  8. 立方体の作図 (Draw Cube) をクリックして、選択した要素上に透明な直方体を作成します。マウスで大きさと位置を調整できます。コーナー点 (Pt1、あるいは Pt2) を使って、ループの主軸と利用可能な空間を調整します。三角形 (triangle) を用いて、ループの副軸と利用可能な空間を調整します。空間は要素 60-70 の付近でマウスによる調整を行い、主軸を -X軸方向に 17ft 11in. とします。

  9. ダイアログへの入力が完了したら、設計 (Design) をクリックして最適化処理を開始します。

    設計の経過が表示されます。適切なループが設計されたら、ループ作成に必要な配管長さとベンドの数を確認します。

  10. 元に戻す (Undo) をクリックして、別のループの種類でループ ウィザードを再実行できます。このようにして、もっとも経済的なループ形状の検討ができます。

    ループ最適化処理が終了すると、選択した要素に新しい熱膨張ループが挿入されます。

  11. 最終的に解析を行い、全ての結果を確認します。ループ最適化処理は、エラーをレポートすることがあります。そのようなエラーの生じる可能性としては: (a) 十分な長さのない要素にループを挿入しようとした、(b) 目標値が実現不可能な値であった、が考えられます。

    特別なループの種類を選択すると、CAESAR II は目標値に到達するような最適なループを選択します。このループの種類は、光る稲妻でダイアログに表示されています。各ループの最適な特性は、直管に対する相対的なベンドのコストになります。光る稲妻のループの種類を選択すると、ベンドのコスト係数 (Bend Cost Factor) ボックスが有効になります。デフォルト値は 100 で、ベンドコストが等価な直管よりも 100倍のコスト増加になるということを示しています。この値は、必要に応じて調整できます。