応力集中係数および応力指数の詳細 (Stress Intensification Factors and Stress Indices Details) - CAESAR II - ヘルプ

CAESAR II ユーザーズガイド

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日本語
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CAESAR II
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ヘルプ
CAESAR II Version
13

応力集中係数 (Stress Intensification Factors)

CAESAR II では、ベンドと、定義した交差部の種類に応じた応力集中係数 (SIF) が、適用した配管規格に準拠して自動的に計算されます。基本配管入力 (Classic Piping Input) ダイアログSIF/分岐 (SIFs & Tees) を使用することで、任意の節点に応力集中係数を入力できます。応力集中係数を入力する接点番号を最初の 節点 (Node) ボックスに入力します。次に、面内と面外の SIF を 面内 (In-Plane) SIF (ii)面外 (Out-Plane) SIF (io) ボックスに入力します。軸 (Axial) SIF (ia)ねじり (Torsion) SIF (it) ボックスに、要素の軸とねじりの SIF を指定します。

環境設定ファイルで Allow User's SIF at Bend (ベンドでユーザ SIF を使用) オプションを True に設定していなければ、ベンドに対して SIF を入力できません。詳細は、Allow User's SIF at Bend (ベンドでユーザーSIFを使用) を参照してください。常に配管規格の SIF が適用されます。

CAESAR II では 1.0 未満の応力集中係数は入力できません。

応力集中係数を入力する節点は、現在の要素の To節点か From節点になります。

応力集中係数は指定した要素の入力方向の末端節点に対して定義されます。たとえば、2つの配管要素が節点 10 で接続して、1つの節点構成が 5 から 10、もう1つの節点構成が 10 から 15 のとき、節点 5-10 の要素の節点 10 に応力集中係数を 2.0 とした場合には、節点 5-10 の要素の節点 10 に応力集中係数 2.0 が適用され、節点 10-15 の要素の節点 10 の応力集中係数は 1.0 のままです。

ユーザーが定義した応力集中係数は、規格で計算された交差部の応力集中係数を上書きします。たとえば、節点 40 が補強のない T字管である交差部だとします。ヘッダー側が節点 35 から 40 と 40 から 45 で構成され、分岐管が節点 175 と 40 で構成されています。ヘッダー側の応力集中係数は配管規格により、次のようになります:

SIF (ii) = 4.50

SIF (io) = 3.75

分岐側は次のようになります

SIF (ii) = 6.70

SIF (io) = 5.58

有限要素法解析により、この交差部の応力集中係数は 2.3 と 1.87 であり、分岐管側の応力集中係数は規格の通り 6.70 と 5.58 であるとします。すると、ヘッダーの応力集中係数は次のように修正することができます:

35 から 40

節点 40

種類:

SIF (ii): 2.3

SIF (io): 1.87

40 から 15

節点 40

種類:

SIF (ii): 2.3

SIF (io): 1.87

分岐側の応力集中係数は規格にしたがって計算することができ、基本配管入力画面上の応力集中係数は次のようになります:

175 から 40

節点 40

種類:2 - 補強なし (Unreinforced)

SIF (ii):

SIF (io):

ヘッダー要素の節点40 側の SIF ボックスを空白のままにすると、規格計算値が用いられます。ユーザ定義の値とともに規格値が存在するときにはこの入力になります。

節点 110 から 115 の要素の両端を応力集中係数 2.0 としたい場合には、基本配管入力画面で次のように入力します:

110 から 115

節点 110

種類:

SIF (ii): 2.0

SIF (io):

節点:115

種類:

SIF (ii): 2.0

SIF (io):

面外の応力集中係数を空白にして、面内の応力集中係数と同じであるとします。ここでは、ユーザーの入力値を上書きする規格計算値はありません。

ねじり (Torsion) SIF (it)軸 (Axial) SIF (ia)圧力 (Pressure) SIF (ip) を指定しない場合、CAESAR II は値を 1 として計算します。

ただし、環境設定ファイルで Allow User's SIF at Bend (ベンドでユーザ SIF を使用) オプションを True に設定していなければ、ベンドに対して規格値を上書きして SIF を入力することはできません。ベンドの応力集中係数は、他の交差部の応力集中係数よりも優先されます。したがって、ベンドのダミーレグの交差部の応力集中係数によって、通常のベンドの応力集中係数が変わってしまうことはありません。ダミーレグの節点はベンド曲率上にありますが、継手応力集中係数メモ (Intersection SIF Scratchpad) で計算し、定義できます。交差部の応力集中係数は、このようにしてベンド交差部で定義できます。ベンド自体の応力集中係数が変わることはありません。

応力集中係数は、1つ、2つ、あるいは 3つの配管要素で構成される交差部について計算できます。交差部の配管要素について、CAESAR II は大きい径をヘッダー、小さい径を分岐管と見なします。

交差部が 1つの配管要素で構成される場合、CAESAR II は同径の交差部と見なします。

CAESAR II は、たとえばクロスや ラテラルのような90度でない分岐といった 4つ以上の配管要素で構成される交差部の応力集中係数は計算できません。

持続応力指数 (Sustained Stress Indices)

また、ASME B31.3 規格の更新では、持続応力式で応力指数を使用することが記載されました。

面内指数 (In-Plane Index) (Ii) を指定しない場合、CAESAR II は 面内 (In-Plane) SIF (ii) 値の 0.75倍または 1.0 のどちらか大きい値を使用します。

ユーザーが 面外指数 (Out-Plane Index) (Io) を指定しない場合、CAESAR II は 面外 (Out-Plane) SIF (io) の 0.75倍または 1 のどちらか大きい値を使用します。

ユーザーが ねじり指数 (Torsion Index) (It)軸指数 (Axial Index) (Ia)圧力指数 (Pressure Index) (Ip) を指定しない場合、CAESAR II はこれらの値を 1 とします。

圧力 (Pressure) SIF (ip) または 圧力指数 (Pressure Index) (Ip) は、配管規格や規格では使用されていません。