WRC 報告書 (Bulletin) 297 - CAESAR II - ヘルプ

CAESAR II ユーザーズガイド

Language
日本語
Product
CAESAR II
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ヘルプ
CAESAR II Version
13

1984年8月に発行された、Welding Research Council (WRC) 297は、円筒胴と円筒胴の交差部の局部応力を算定する既存の解析ツール (WRC107) を拡張する試みがなされています。 WRC297 は広く使われている WRC107 とは異なり、ノズル・円筒胴の外径比 d/D が小さいものから 0.5 までの範囲で応力算定が可能です。また、WRC 297 はノズルと容器の両者の応力算定が可能となっていますが、WRC 107 では容器のみの応力算定になっています。

CAESAR II WRC 297 モジュールでは、圧力容器のデータ、ノズルデータ、作用荷重の入力タブが用意されています。WRC 297 では1つの荷重セットに対応しています。荷重は CAESAR II の全体座標系でも、WRC 297 での局所座標系でも入力することができます。CAESAR II の全体座標系を選択すると、容器とノズルの方向余弦を入力して WRC 297 文献に記載されているように WRC 297 局所座標系に変換する必要があります。

CAESAR II の WRC 297 では、ラーメ (Lame) の公式を用いた内圧による応力成分を計算できるとともに、ASME Section VIII, Div. 2, Table AD-560.7 に従って、応力集中係数を乗じた応力を算出します。内圧による応力は WRC297 の一部ではありません。しかし、このモジュールではユーザーの便宜をはかるために追加された機能です。

CAESAR II では、入力 > 配管系 ( Input > Piping) から WRC 297 でのノズルたわみ性を計算することができます。詳細は、配管系入力リファレンス (Piping Input Reference) を参照してください。

必要なデータがそろうと、CAESAR II はノズル周りの容器の4つの位置の応力を計算するとともに、対応する位置のノズル応力も計算します。応力は、内面、外面 (上部および下部) ともに計算されます。これら 16点の応力成分は応力強さに変換されます。許容応力制限と出力についてのさらに詳細な情報は、WRC 報告書 (Bulletin) 107 を参照してください。