B31.3では、Paragraph 323.2.2 (b)、(c)、(g) および (h) で定義される低減に対する要件を満たせば、Table A-1 に示される MDMT を下回る温度での材料の使用を認めています。ソフトウェアはエラーチェックで MDMT レポートの判定が Impact となった場合に、詳細解析を行います。
既存の、あるいはデフォルトの荷重ケースを使うか、下図のように手動で新しい荷重ケースを 荷重ケースエディタ (Load Case Editor) で 応力タイプ (Stress Type) を MDMT として作成します。
W+T2+P2 の MDMT 荷重ケースは、この例では最低温度である T2 を使って衝撃試験を解析します。
-
MDMT 荷重ケース は基本荷重ケースであり、組合せ荷重ケースではないことに注意してください。
-
配管系入力 (Piping Input) で設定した 圧力 (Pressures) を用いずに解析することができます。SUS/OCC Case Sh に対して、許容応力 (SH1, SH2, ... SH9) を使うことも、デフォルトの Sh_min を使うこともできます。
-
配管系入力 (Piping Input) で 腐れ代 (Corrosion) が定義された場合、これを計算に考慮します。
エラーチェックが終了すると、静的解析 (Static Analysis) を実行します。
レポート例
静的解析出力プロセッサ (Static Output Processor) では、MDMT 荷重ケースか MDMT レポート (Report) を選択します。 レポートは B31.3 と MDMT 荷重ケースについてのデータしかありません。
1 - エラーチェックによって作成されるデータ
ソフトウェアは MDMT の値 NA は空白として表示される場合を除いて、エラーチェックで作成されたデータでの MDMT 解析 に説明されているものと同じ エラーチェック (Error Check) のデータを生成します。
その他データ (Miscellaneous Data) レポートでも、同じデータを確認できます。
2 - 詳細解析によるデータ
応力比 (Stress Ratio)、低減 (Reduction)、最終 MDMT (Final MDMT) については、MDMT 詳細解析結果 (MDMT Full Analysis Results) を参照してください。
ソフトウェアは、エラーチェック (Error Check) から ステータス (Status) が Impact の要素について、このデータを生成するのみです。
3 - 警告
ステータス (Status )が Unknown の場合、負の警告番号が エラーチェック (Error Check) (データブロック 1) のデータに適用されます。
- 2
管厚さが 3インチを超えており、適用範囲外になります。この警告は 最小温度線図 (Minimum Temperature Curve) が A、B、C、D のいずれかの材料に適用されます。
- 3
材料の MDMT が材料データベースで定義されていません。
- 4
熱膨張係数が温度フィールドで定義されています。材料が有効な温度範囲にありません。
ステータス (Status) が Impact の場合、正の警告番号が詳細な CAESAR II 解析 (データブロック 2) のデータに適用されます。
3
基本となる MDMT から差し引く低減が行われる場合、最終の MDMT は線図の値から -55°F (応力比 > 0.3) あるいは -155°F (応力比 £ 0.3) だけ下がります。
4
基本となる MDMT は -55°F (応力比 > 0.3) あるいは -155°F (応力比 £ 0.3) だけ下回っているので、ソフトウェアは低減はできません。
5
応力比 ³ 1.0であり、低減はゼロです。
あるいは
許容応力がゼロであり、応力比は計算できません。
-
Unknown と Impact の要素は赤で表示されます。
-
応力 (Stresses) レポート の規格応力が許容値より大きい場合に、荷重ケースのタイトル行が赤で表示されます。
-
ソフトウェアは剛体、フランジ、伸縮継手の要素に対して、MDMT 解析は行いません。この例では、レポートに表示されない構成部品は、要素 40 – 50 と 60 – 70 です。
-
SUS、OPE、OCC、EXP のような他の応力タイプではレポートは表示されません。