静的解析の再実行 (Rerun the static analysis) - CAESAR II - Reference Data

CAESAR II アプリケーション ガイド

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日本語
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CAESAR II
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Reference Data
CAESAR II Version
13
  1. 基本配管入力 (Classic Piping Input) ダイアログで 実行開始 (Start Run) をクリックして、エラーチェッカー (Error Checker) を実行します。

    エラーチェックは警告やエラーメッセージなしに完了するはずです。モデルは静的解析を実行する準備ができました。

    エラーが発生した場合、エラーメッセージをよく読み、基本配管入力 (Classic Piping Input) に戻ってデータを修正します。

  2. バッチ処理 (Batch Run) をクリックして静的解析を実行します。

    ソフトウェアは配管系および基本的な荷重ケースに対して解析を実行します。

    計算が終了すると、静的出力プロセッサ (Static Output Processor) が表示されます。

    モデルはチュートリアル A のオリジナルのモデルに対して作成された荷重ケースを使用します。詳細は、静的荷重ケースのチェック (Check the static load cases) を参照してください。

解析結果のグラフィカルな確認

  1. (OPE) 荷重ケースを選択して、3Dプロット (Graphical Output) をクリックします。

    配管系モデルが表示されます。

  2. 変形形状 (Deflected Shape) をクリックします。

    モデルおよび中心線に沿ってスケーリングした運転時の変形が表示されます。

  3. 静的出力プロセッサ (Static Output Processor) に戻って、グラフィックスウィンドウを閉じます。

静的解析出力レポートの作成

  1. 次のように選択して一連のレポートを作成します:

    • 解析された荷重ケース (Load Cases Analyzed) で、SHIFT を押しながら OPE、SUS、EXP 荷重ケースを選択

    • 標準レポート (Standard Reports) で、CTRL を押しながら 変位 (Displacements)拘束の要約 (Restraint Summary)応力 (Stresses) を選択

    • 解析条件と設計データ (General Computed Results) で、Hanger Table W/Text を選択

  2. 出力ビューアのウィザード (Output Viewer Wizard)追加 (Add) をクリックして 完了 (Finish) をクリックします。

    レポートがタブ付きのウィンドウに表示されます。

応力レポートの確認

持続応力 (下図参照) および熱膨張応力 (図には含まれず) をチェックして、それぞれ許容制限値以下であることを確認します。持続応力の最大は 2017psi、熱膨張応力の最大は 5419psi で、許容値以内になっています。持続応力はサポート間隔を長くした関係で少し大きくなっていますが、熱膨張応力は著しく小さくなっています。システムのフレキシビリティを増したことにより、熱膨張応力の低減になっています。このことはノズル荷重も下がることを意味しています。

ハンガーレポートの確認

節点5 のポンプノズル荷重に対するハンガー変更の影響を確認します。

ソフトウェアは、据付け時の節点28 のハンガーとして前より大きなもの (サイズ 12) を選択しています。チュートリアル A の解析では、サイス 10 のスプリングハンガーが選定されていました。このスプリングは 2202ポンドを運転時支持荷重としています。この大きな荷重は、運転時のスプリングハンガーの支持荷重計算において、ポンプノズルが Y方向に切り離された状態をハンガー選定基準とした修正の結果です。スプリングの支持荷重を大きくしたことで、ポンプノズルの鉛直方向荷重は低減します。

拘束要約レポートの確認

運転荷重と据付荷重の拘束一覧から、節点5 のポンプノズル荷重に対するモデル変更の影響がわかります。

節点5 のポンプ吐出ノズル荷重は良くなったように見えます。節点40 のフレキシビリティ追加の影響が現れています。配管ループは Z方向にフレキシビリティを増しています。Z方向の荷重は 747ポンドから 235ポンドになっています。X方向の運転時の大きなモーメントは、この再設計の目的でしたが、10,000ポンドから 2,755ポンドに低下しています。

他の興味深い点は、フレキシビリティを増した影響として、Z方向モーメントが -300フィート-ポンドから +1519フィート-ポンドに増加していることです。Y方向のポンプ荷重では、ハンガー設計での調整の影響は出ています。ホット時のポンプ荷重は -206ポンドで、コールド時のポンプ荷重は +337ポンドです。必要であれば、ポンプ据付け時あるいはポンプ運転時のハンガー荷重はゼロとできます。節点28 のスプリングサポートは、ホット時に 2,202ポンド、コールド時に 2,540ポンドとなっています。

最初の重量計算でノズル固定点の支持条件を解放することで、スプリングハンガーの荷重が上がりました。この荷重はオリジナルの解析では 904ポンドでした。フレキシビリティの追加により、節点33 の支持荷重も変化しています。オリジナルの解析では、配管がホットになると荷重は低減していました。今回の解析では、配管がホットになると支持荷重は増加しています。節点40 の容器ノズル荷重も、ポンプノズル荷重と同様な傾向を示しています。ほとんどの荷重は低減していますが、X軸周りのモーメントは幾分増加しています。

ノズル荷重の確認

吐出ノズル荷重が最大許容値以下になっていることを確認します。機器ノズル評価 (Equipment Analysis) の吐出荷重をリフレッシュして解析に戻るか、オリジナルの解析を参照して、個々の許容値と節点5 の新しい運転時荷重とを比べてみましょう:

方向 (Direction)

API 制限 (Limit)

解析結果 (Model Results)

X (lb.)

1700

136

Y (lb.)

2200

-206

Z (lb.)

1400

-235

RX (ft.lb.)

5200

-2755

RY (ft.lb.)

3800

-1540

RZ (ft.lb.)

2600

1520

このチュートリアルでは、ポンプの吸込み側の荷重は API許容荷重に収まっていると仮定します。API許容荷重の 2倍の値を用いています。

吐出ノズルの 6成分すべてが許容値以下であり、条件 F.1.2.b. と条件 F.1.2.c. によるチェックは不要となりました。吐出ノズルは過荷重ではなくなりました。吸込みノズル荷重が API 610 の制限を満足してから、最終的なポンプノズル荷重評価が行われることになります。