配管系システムの再設計 (Redesign the piping system) - CAESAR II - Reference Data

CAESAR II アプリケーション ガイド

Language
日本語
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CAESAR II
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Reference Data
CAESAR II Version
13

モデルの確認 (Review the model) で示したように、脚 BC の剛性に対して 脚 A (節点35 から節点40) の熱伸びが影響し、ポンプ吐出ノズル (節点5) での高い Xモーメントになっています。脚 A の熱伸びを固定すれば、システムの剛性は節点5 に作用する運転荷重を小さくすることができます。この剛性は配管ループを追加するか、あるいは伸縮継手を追加することで低減可能となります。このチュートリアルでは、配管ループを追加しましょう。

ループの最適な位置は、過度の熱ひずみを生じる脚 A の方向によって決まります。配管を追加して、脚 A に直角の配管ループを作成します。このシステムでは、X方向か Y方向に追加することになります。この追加される配管は、脚 A による変形に対して片持ち梁の長さを効果的に増やします。片持ち梁の長さを増すことにより、剛性は低減し、荷重を低下します。

ループの大きさを設定するいくつかの条件があります:

  • サポートを配置できる位置

  • サポート間の最大スパン

  • 配管のコスト

  • 利用可能なスペース

本チュートリアルでは、8フィート X 8フィートの配管ループを作成し、脚 A に X方向のサポートを追加します。このシステムはまだ解析されていませんが、8インチの満水の配管の推奨最大間隔は ASME B31.1 121.5 または MSS SP-69 では 19フィートとなっています。8フィートの配管ループ節点30 - 35 は 12フィートから 20フィートで、推奨される間隔に近いものになっています。

モデルの既存要素を修正

レイアウトを試験的に修正する場合、既存モデルを新しいファイルとして保存して、オリジナルのモデルは変更せずにそのままの状態にしてください。変更が好ましい結果でなければ、オリジナルのモデルを次のテストで使用できます。そうすると、モデルから変更箇所を削除する必要がありません。

  1. メインウィンドウリボンに戻り、現在のモデルファイルを Tutor-B として、ホーム (Home) > 入力 (Input) > 配管系入力 (Piping Input) をクリックします。

    基本配管入力 (Classic Piping Input) ダイアログとグラフィックビューが表示されます。

  2. ファイル (File) > 名前を付けて保存 (Save As) をクリックして、モデルファイル名を Tutor-B3 とします。

  3. 次の要素 (Next Element) を繰り返しクリックして、節点 30-35 を表示します。

    SHARED Tip 要素 30-35 をクリックするか、節点を検索 (Find Node) を使用して、要素を直接表示できます。

  4. DX ボックスに -20- と入力して、要素の長さを 12フィートから 20フィートに変更します。TAB キーを押します。

  5. 拘束 (Restraints) ボックスをダブルクリックして、右側に 拘束 (Restraints) タブを表示します。

  6. +Y拘束を 節点 35 (エルボ終点の節点) から 33 (エルボ始点の節点) に変更します。

    • 最大推奨支持間隔は 8インチの配管では 19フィートが安全側指針で、この場合支持間の配管の沈み込みは 0.1インチ以下になるように制限しています。節点35 の拘束では、節点28 のハンガーまでの距離は 21フィートです。拘束を節点33 に移動することで距離は 20フィートになり、推奨最大間隔により近くなります。

    • 最大支持間隔は ASME B31.1 および MSS SP-69 に規定されており、持続応力は非常に小さい応力にある支持間隔になります。CAESAR II は持続応力を計算するため、推奨最大支持間隔より広い間隔であっても問題がないことを計算結果で確認することができます。

  7. 分割 (Break) をクリックします。

    SHARED Tip 要素を右クリックして 要素 (Element) > 要素の分割 (Break Element) を選択することもできます。

    要素で分割 (Break at Element) ダイアログが表示されます。

  8. 要素 30 - 35 を節点32 を追加、中点の 10フィート (10-)して OK をクリックします。

  9. 次の要素 (Next Element) を 2回クリックして要素 35-40 に進みます。

  10. 分割 (Break) をクリックして、節点135 を節点35 から 8フィート (8-) の位置に追加します。

ループを作成するために節点135 に新たなエルボを追加

  1. ベンド (Bend) チェックボックスをダブルクリックして、右側に ベンド (Bends) タブを表示します。

    ソフトウェアはロングエルボ (半径が公称径の1.5倍) をエルボのニアエンドとして節点133 (角度 2 (Angle 2)0.000)、ミッドポイントとして節点134 (角度 1 (Angle 1)M) を作成し、節点135 をエルボのファーエンドとして変更します。

    エルボは水平配管の一部ですが、水平配管が作成されるまでは表示されません。

エルボのあとに 8フィートの要素を追加

  1. 新しい要素を要素35 - 13 の後ろに配置するために、要素の挿入 (Insert Element) をクリックして 後 (After) を選択し、OK をクリックします。

    From節点が 135 に変わります。

  2. To節点ボックスに 235 を入力します。

  3. DX ボックスに 8- (8フィート) を入力し、TAB キーを押します。

    ソフトウェアはループの最後の要素を作成します。配管の最後の要素は元の位置のまま残ります。

エルボを追加して最終要素の From節点を調整

  1. ベンド (Bend)チェックボックスをダブルクリックして、節点235 にベンドを追加します。

    ソフトウェアはロングエルボ (半径が公称径の1.5倍) をエルボのニアエンドとして節点233 (角度 2 (Angle 2)0.000)、ミッドポイントとして節点234 (角度 1 (Angle 1)M) を作成し、節点235 をエルボのファーエンドとして変更します。

    エルボは水平配管の一部ですが、水平配管が作成されるまでは表示されません。

  2. 次の要素 (Next Element) をクリックして、要素 135  -  40 に進みます。

  3. From節点ボックスに新たな節点の値 235 を入力して TAB キーを押します。

    ソフトウェアはループを配管の最後の要素にアタッチします。

サポートを新規要素 135 - 235 に追加

ASME B31.1 および MSS SP-69 で、このループのようなベンドが含まれる場合の支持間隔に制限を設けています。満水状態の 8インチ炭素鋼配管の最大支持間隔は 19フィートです。最大のパイプランは、直管の 3/4 を限度としています。このモデルでは 約15フィートが限度となります。節点35 と 40 のパイプ間は 26フィート以上になるため、新しいサポートが必要です。

  1. 前の要素 (Previous Element) をクリックして要素 135  -  235 に戻ります。

  2. モデル (Model) > 拘束の挿入 (Insert Restraint) Aux Tools - Restraints をクリックするか、要素を右クリックして 拘束 (Restraint) > 拘束の挿入 (Insert Restraint) を選択します。

  3. 節点135 から 5フィート (5-) の位置に節点140 を追加して拘束を挿入します。節点33 にある同じ +Y拘束を利用して、次の節点から拘束をコピー (Copy Restraint from Node) で節点140 に同じ特性の新しい拘束を作成します。

    ソフトウェアは要素を分割して、新たな拘束を挿入します。

節点28 のハンガー設計を調整

ソフトウェアによる節点28 のハンガー設計では、ポンプノズルに大きな鉛直荷重が残ります。チュートリアル A の 1 - ANVIL ハンガーテーブルからのスプリングハンガー選定では、配管と弁の重量をもっと支持できます。ハンガー荷重解析においてポンプノズルが荷重をまったく支持しないようにハンガー設計アルゴリズムを調整しましょう。

  1. 前の要素 (Previous Element) をクリックして要素 25 - 30 に戻ります。ハンガー (Hangers) をダブルクリックして、右側に ハンガー (Hangers) タブを表示します。

  2. 節点における拘束自由処理: (Free Restraint at Node) ボックスに 5 と入力します。

  3. 自由度設定 (Free Code) リストから 1-Y を選択します。

    ソフトウェアは節点28 のハンガー設計での吊り荷重計算で節点5 の Y拘束をはずし、スプリングハンガーが鉛直方向の荷重をすべて支持するようにして、ハンガーの支持荷重を計算します。

  4. モデルを保存するために 上書き保存 (Save) または ファイル (File) > 保存 (Save) をクリックします。

  5. 最終チェックとして、距離 (Distance) をクリックします。要素節点間 (Between Element Nodes) を選択して、ボックスに 5 (1番目の要素) および 40 (最後の要素) を入力し、計算 (Calculate) をクリックします。結果 (Results) に、長さ 26' 8 3/8" と表示され、チュートリアル A で計測した距離と同じになるはずです。

モデルの再設計が完了しました!