ユニバーサルベロー - 単純なモデル (Universal Expansion Joints - Simple Model) - CAESAR II - Reference Data

CAESAR II アプリケーション ガイド

Language
日本語
Product
CAESAR II
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Reference Data
CAESAR II Version
13

タイロッド式ユニバーサルベローは、軸直角変位のみを吸収するように設計します。軸方向、あるいは通常タイロッドが 3本以上ついているタイロッド式ユニバーサルベローでは、伸縮継手端部での回転変位を吸収することはできません。

軸直角剛性の代わりに曲げに対する剛性をメーカーのカタログから入力します。ベローの剛性に関する総裁な情報は、単純なベローの内圧推力 (Simple Bellows with Pressure Thrust) を参照してください。

メーカーは、ユニバーサルベローに関する膨大なデータを発行しています。ほとんどの場合、発行された剛性に関するデータは、ユニバーサルベローのアセンブリとしての剛性です。アセンブリとしての軸直角方向の剛性があれば、単純なモデル、あるいは複雑なモデルでも 1つのベローとして扱うことができます。このような場合、メーカーはアセンブリとしての変形制限を表示しますので、配管設計としてはそのユニバーサルベローが許容値を超えているかどうかの判定ができます。

多くのユニバーサルベローは、中央のパイプピースにつながるタイロッドにストッパーがあり、ベローの過大な変形を抑えています。このような制限は複雑なモデルで表現できます。単純なモデルでは、ユーザーがストッパーによって動きが制限されるような大きな変形になっていないことを解析結果からチェックする必要があります。ストッパーは代表的な安全装置として考えられますので、ストッパーの部品設計に特別な配慮がなされていない限り、設計における作動部品の一部としてとらえるべきではありません。

機器ノズルの荷重が許容値内であることを確認した後、伸縮継手の変位限界をチェックしてください。解析 > 伸縮継手 (Analysis > Expansion Joint Rating) コマンドで、ベローの変形によるベローの強度を評価します。伸縮継手のレーティング (Expansion Joint Rating) は 1つのベローに対してのみ計算します。ユニバーサルベローのそれぞれのベロー単体についてモデル化して、チェックを行ってください。

一部のメーカーは、タイロッド端での摩擦力など伸縮継手の軸直角方向のたわみ性を低下させる要因があるとしています。10%程度の軸直角方向剛性の増加がこれらの摩擦の影響を補うと考えられます。

複雑なモデルでは、タイロッドの外径に等しい配管を使います。その厚さはタイロッドの外径の 1/2 になります。配管軸から垂直に伸びる剛体要素と、中心線に沿ってタイロッドの中心線上に剛体要素をモデル化してください。

ベローと付属物の重量は、ベロー両側のフランジ重量に足してください。配管系でハンガー設計を行うような場合には、特にベローと付属物の重量を必ず入力するようにしてください。

タイロッドのナットの緩み具合など現場の状況に応じて複雑なモデルを使うことで、このようなシミュレートも可能になります。

いくつかのユニバーサルベローの例を次に示します。モデルはそれぞれ入力例を示しています。単純なモデルでは、タイロッドがフランジに固定されている場合、すなわちナットがフランジの両側になる場合にお使いください。

いちばん上の図は、ナットがフランジの片側のみの場合です。タイロッドが常に引っ張りの状態にあることを確認できない限り、この形状では複雑なモデルをお使いください。

いちばん上のモデルは、ユニバーサルベローのアセンブリデータがある場合のモデル化です。すなわち、アセンブリとしての軸直角方向の剛性がある場合です。2番目のモデルは、2つのベローの回転剛性がある場合のモデル化です。

アセンブリとして等価な 1つのベローとして軸直角方向の剛性が示された場合:

下図のモデルでは、
重量配分とハンガー設計に影響を与える付属物、
あるいはベローの重量を示していません。

個々のベローに回転方向の剛性が示された場合:

タイロッドと中央のパイプピースは、雰囲気温度でモデル化されます。

内圧推力はタイロッドで受けます。有効 ID (Effective ID) と軸拘束は削除できます。

このモデルでは、重量配分とハンガー設計に影響を与える付属物、あるいはベローの重量を示していません。